【亜州ビジネス編集部】
国家電気自動車(EV)政策委員会(委員長:ピチャイ副首相兼財務相)は26日、ハイブリッド車(HV)メーカーに対する税優遇措置を承認した。30億バーツ以上の追加投資や、電池パックを含む一部主要部品の現地調達などを条件とし、2028~32年の5年間に車両の物品税率を引き下げる。総額500億バーツ以上の投資を見込むと共に、部品産業の育成や環境負荷の軽減、安全性の向上などを促進する。
10人乗り以下の車両が対象。税率は二酸化炭素(CO2)排出量によって決まり、走行1キロメートル当たり100グラム以下で6%、101~120グラム以下で9%とする。現状ではそれぞれ8%、16%となっている。
条件は4つあり、(1)CO2排出量の120グラム以下への抑制(2)30億バーツ以上の投資(3)主要部品の現地調達(4)先進運転支援システム(ADAS)の搭載――としている。
投資額については、24~27年の4年間での実行が条件。部品については、26年以降に国産電池パックを使用し、他に指定の主要部品を28年までに現地調達化することを求める。指定の主要部品は投資額によって異なり、50億バーツ未満の場合はトラクションモーターと減速機、インバーターの3つ全ての現地調達が条件。50億バーツ以上の投資では、3つのうち最大2つについて、電池制御システム(BMS)など別の指定部品に変更できる。
ADASは指定の6種類のうち4種類以上の搭載を義務付ける。衝突被害軽減ブレーキ(AEB)や前方衝突予測警告(FCW)、車線維持支援システム(LKAS)などが含まれる。
投資委員会(BOI)と財務省による閣議提案を経て正式決定となる。同委は5社以上が優遇措置の適用を申請すると見込んでいる。
タイ工業連盟(FTI)によると、国内の乗用HV生産台数は24年1~6月に前年同期比57.8%増の9万7761台と大きく拡大。乗用車生産全体に占める割合は34.5%に上昇した。国内販売台数は69.6%増の6万7110台、輸出台数は6.0倍の2万7512台だった。