【亜州ビジネス編集部】
矢野経済研究所は29日、東南アジアの新車販売台数に占める電気自動車(EV)の割合が2030年に最大で17.8%に達するとの予測を発表した。23年の4.1%から大きく上昇する見通し。充電インフラ不足などの課題解決に時間がかかると想定した保守的な予測では、8.1%とみている。
ブルネイを除く東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟9カ国の自動車や車載電池市場の調査を行い、予測をまとめた。9カ国の新車市場は23年の351万2000台から30年に454万台へと29.3%拡大するとみている。
政府の電動化推進による現地生産の義務化などを前提とした場合、30年のEV販売は81万台に拡大し、新車市場の17.8%を占める見通し。一方、課題解決に時間がかかれば、ハイブリッド車(HV)再評価の影響もあって、30年のEV販売は37万台、シェア8.1%にとどまると予測する。
23年の域内EV市場は14万5000台。中国で過剰生産された車両・部品がタイに大量流入したことや、ベトナムの国産EVメーカー、ビンファストの車両がグループ企業のタクシーなどに大量採用されたことで、販売が急拡大した。同年はタイの販売台数が7万6000台と域内の半数を占めた。