【亜州ビジネス編集部】
日本製鉄は9日、2022年に買収した電炉子会社のGスチールとGJスチールが計15億バーツの設備投資を行うと発表した。品質対応力・コスト競争力の強化に向け、Gスチールへの新設備導入などを進める。Gスチールは一方、設備更新なども含め今後3年で総額30億バーツを投資すると発表している。
Gスチールはスキンパス設備と呼ばれる形状矯正・検査のための設備を新設。品質を高めるとともに製品の幅を広げる。また、主原料となるスクラップの置き場の改善や管理の強化を通じて、コスト競争力を強化。老朽化した設備の更新なども行う。日本製鉄子会社のニッポンスチール・タイから16億バーツの融資を受けて実施する。一方、GJスチールはスクラップ管理の強化などに向けた投資を進める。
両社とも電炉一貫熱延工場を操業し、主にタイ国内の建材・鋼管分野に製品を供給している。今後は高強度建材や、冷延・メッキ製品向け原板の供給、欧州・近隣国への輸出など新たな市場の開拓にも力をいれる。