【亜州ビジネス編集部】
中国の広告業界が年初来、安定的な成長を示している。国家市場監督管理総局が広告企業上位857社(以下、トップ企業)に対して実施した統計調査によると、今年上半期(1~6月)の広告事業収入は前年同期比4.0%増の6485億人民元(約13兆4870億円)に伸長した。中国新聞網が15日付で報じた。
情報技術の発展が広告業界に活力をもたらしている。なかでもデジタル広告の発展が目立つ。今年1~6月にかけて、トップ企業のインターネット広告収入は前年同期比14.8%増の2958億2000万人民元に膨らんだ。うちモバイル広告収入が26.3%増の2630億4000万人民元。ネット広告事業が各種メディア広告全体の80%近くを占める規模だ。
インターネット・プラットフォームは現在、広告の主要なキャリア・コミュニケーションチャネルだ。 広告収入はプラットフォームリソースをマネタイズ(収益化)する重要な手段となっており、プラットフォーム企業のイノベーションやモデル革新を後押ししている。
今年上半期の広告収入上位10社は、すべてネットプラットフォーム関連企業だった。その広告事業収入は合計2000億人民元を超過。前年同期比で35.6%増加し、業界の平均成長率を上回った。ネットプラットフォームからの広告収入の急成長は、業界の発展を牽引する成長ドライバーとなっている。
消費市場の拡大を受けて、広告業界と消費経済が融合しながら発展している。今年1~6月にかけて、クライアント(広告主)は引き続きマーケティング活動を強化し、製品、サービスの販売を効果的に促進した。消費財の小売売上高は上半期に前年同期比で3.7%増加。安定的な成長と多様化を示した。また、引き続き大規模な設備更新と消費財の買い替えを促す「以旧換新」政策の効果が顕在化している形。新エネルギー乗用車の小売台数は前年同期比33.1%増の411万台に積み上がった。ほか通信機器の小売台数は11.3%増、スポーツ・娯楽用品は11.2%増という水準。広告業界は引き続き消費促進に積極的な役割を果たしている形だ。