【亜州ビジネス編集部】
新電力のイーレックスは15日、北部トゥエンクワン省と同イエンバイ省で今秋にもバイオマス発電所の建設を開始すると発表した。2027年の完成を予定する。共に出力が50メガワット(MW)で、燃料に年50万トンの木質残さを使用する。
発電した電力は、固定価格買い取り制度(FIT)に基づきベトナム電力グループ(EVN)に1キロワット時(kWh)当たり8.47米セントで販売する。日本の二国間クレジット制度(JCM)の設備補助事業に採択されている。同社は両省で木質ペレット工場の建設も進めており、今年度中に輸出用ペレットの生産が可能になる。
一方、南部ハウザン省ではもみ殻を主燃料とするバイオマス発電所(出力:20MW)を建設中で、今年12月にも運転開始する。同アンザン省では、地場コングロマリット(複合企業)大手T&Tグループと共同でバイオマス発電所開発に向けた調査を進めており、25年度の着工を目指す。
カンボジアでも今秋着工へ
イーレックスは同日、カンボジアで出力50MWのバイオマス発電所を今秋にも着工すると発表した。27年の完成を目指す。昨年12月に同国の鉱業エネルギー省との間で、役割・協力関係を確認する覚書(MOU)を交わしていた。
同国では西部ポーサット州の水力発電所にも出資参画している。出力は80MWで、来年11月の稼働開始を予定する。