【亜州ビジネス編集部】
運輸などの地場キンジェン(旧ネーション・ブロードキャスティング)は23日、中国自動車メーカーの奇瑞汽車(チェリー)の現地法人2社に出資すると発表した。総額12億6000万バーツを投じ、生産会社の株式60%と販売会社の25%を取得する計画。合弁で事業を手掛ける。奇瑞は東部ラヨン県に工場を建設することで投資委員会(BOI)の認可を取得済み。来年に生産を開始し、タイ国内に供給するほか、東南アジアなどへの輸出拠点としても活用する。
キンジェンは、奇瑞の生産会社オモダ&ジェイクー・マニュファクチャリング(タイランド)と、販売会社オモダ&ジェイクー(タイランド)の増資を引き受ける。株式の残りは奇瑞が保有する。年内に取得手続きを終える予定。生産会社はエアコン・自動車部品メーカーのSNCフォーマーから10億バーツ相当の工場土地建物を購入し、生産体制を整備する。当初の年産能力は5万台で、2028年に8万台まで引き上げる。
工場では電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)を生産する計画。現地報道によると、工場への投資額は50億バーツ超で、来年第2四半期中にも商業生産を開始する。
奇瑞は今月6日、タイで発売する2モデルのEVの販売価格を発表。来月にも輸入販売を開始し、一時撤退していた同国市場に再参入する。09年に小型ガソリン車で進出した後、日系メーカーの牙城を崩せず事業を停止していたが、EVで巻き返しを図る。
キンジェンは、日本人学校の通学バスサービスなどを手掛けるモントリー・トランスポートの親会社。