【タイ】7月の輸出15%増、米国向けPC・部品など伸びる

【亜州ビジネス編集部】

商務省の27日発表によると、2024年7月の輸出額は前年同月比15.2%増の257億2060万米ドルだった。前年同月を上回るのは2カ月ぶり。コンピューター・部品を中心に米国への輸出拡大が続いており、前年同月に低調だった反動もあって大きく伸びた。輸入額は13.1%増え、1年11カ月ぶり高水準となる270億9380万米ドルに拡大。貿易収支は13億7320万米ドルの赤字と、3カ月ぶりに赤字転落した。

輸出額は、8割弱を占める主要工業製品が15.6%増、2割弱の農産物・加工品が8.7%増。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は4.0%増だった。

工業製品の輸出では、電子製品(31.8%増)が大きく拡大。コンピューター・部品(82.6%増)が急伸し、うち3分の1を占めるハードディスク駆動装置(HDD、84.6%)が前年同月に半減していた反動もあって好調だった。農産物のコメ(15.6%増)やゴム(55.4%増)も2桁の伸びが続いている。

一方、車両・部品(12.5%減)は3カ月連続のマイナス。乗用車と商用車が共に2割前後の落ち込みとなり、タイ工業連盟(FTI)は中東情勢の悪化で同地域や欧州への車両輸出に支障が出たと説明している。

国別の輸出額は、全体の2割近くを占め最大の米国(26.3%増)が引き続き好調。コンピューター・部品のほか、電話・部品、自動車・部品などが伸びた。2番目に大きい中国(9.9%増)は2カ月ぶりのプラスで、果物の落ち込みが続くもののゴム製品やコンピューター・部品が拡大。一方、3番目の日本(2.5%減)は6カ月連続の前年割れとなり、自動車・部品や機械・部品などが落ち込んだ。

輸入額は原油や化学品、銅、アルミニウムなどが大きく拡大した。一方、前年同月に大幅増だった電気自動車(EV)などの自動車は3割弱の減少となった。

1~7月の累計は、輸出額が前年同期比3.8%増の1710億1060万米ドル、輸入額が4.4%増の1776億2650万米ドル、貿易収支が66億1590万米ドルの赤字だった。


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