【亜州ビジネス編集部】
タイ国トヨタ自動車(TMT)の8月30日発表によると、2024年7月の国内新車販売台数は前年同月比20.6%減の4万6394台だった。前年割れは14カ月連続。台数は新型コロナウイルス禍下の21年8月以来、3年ぶりの少なさとなった。特に不振の1トンピックアップトラックはコロナ禍下も下回り、大洪水があった11年11月以来の低水準だった。一方、23年秋に参入した中国の長安汽車が販売を伸ばし、米フォードや三菱自動車を上回るブランド別5位に入った。
1トンピックの販売は35.5%減の1万6125台で、19カ月連続のマイナス。自動車ローンの与信厳格化などで低迷し、23年8月以降は30%を超える落ち込みが続いている。乗用車は23.7%減少し、6カ月連続で20%超のマイナス。一方、商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)は52.5%増の1万1165台と、トヨタ車を中心に販売を伸ばした。
電気自動車(EV)の販売台数は48.0%増の7265台に拡大し、新車販売に占める割合は15.7%に上昇。このところ失速していたが、中国BYDの値引きキャンペーンなどで販売を伸ばした。ハイブリッド車(HV)は44.3%増の9203台と好調を維持している。
メーカー別の販売では、日系9社すべてが前月と同様に2桁のマイナスとなり、合計のシェアは73.0%に低下した。一方、EVを中心とする中国系9社のシェアは15.8%で、前月(12.1%)から上昇。値下げ攻勢をかけた比亜迪(BYD)が販売を倍増させたほか、前月まで3桁台だった長安汽車の販売がSUVを中心に2288台に拡大した。
1~7月の全体の販売台数は前年同期比23.7%減の35万4421台。日系9社のシェアは76.6%となり、前年同期を2.6ポイント下回った。中国9社は12.6%だった。