【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の8月30日発表によると、2024年7月の鉱工業生産指数(MPI、21年=100)は96.7となり、前年同月比で1.8%上昇した。前年同月を上回るのは3カ月ぶり。電線やモーターなど電機の伸びが加速したほか、自動車や電子の落ち込みが緩和した。MPIは季節調整済み前月比では0.6%上昇した。
主要10品目のうち5品目で前年同月から指数を上げた。ゴム・プラスチックは2カ月ぶりにプラスを回復。医療用ゴム手袋が大きく伸びた。電機では、電線(25.2%上昇)の大幅上昇が続くほか、モーター(35.0%上昇)や変圧器(33.5%)、炊飯器(18.9%上昇)などの伸びが加速した。
電子(4.2%低下)は少なくとも22年1月以降、31カ月連続のマイナスとなる。ただ同年9月から続いていた2桁のマイナスからは改善。輸出が急伸したハードディスク駆動装置(HDD、20.9%上昇)がけん引した。ただ、HDDの設備稼働率は40.5%と低水準にとどまっている。自動車(11.1%低下)は12カ月連続の前年割れ。ハイブリッド車(HV)の生産拡大などで前月からは伸びが縮小した。
一方、ベースメタル(1.3%低下)は3カ月ぶりに前年を割り込んだ。鋼管(9.1%上昇)が伸びたものの、亜鉛めっき鋼板などの鋼板(1.2%低下)の落ち込みが続くほか、異形棒鋼など条鋼(6.3%低下)がマイナスに転じた。
OIEが同時に発表した7月の製造業設備稼働率は58.8%だった。前月から0.6ポイント上昇、前年同月からも0.6ポイント上昇した。うち自動車の稼働率は55.7%で、前月から4.0ポイント上昇。前年同月からは10.8ポイント低下した。1トンピック、乗用車とも前月からは改善した。