【タイ】8月の物価上昇0.4%に鈍化、燃料が落ち込む

【亜州ビジネス編集部】

商務省が5日発表した2024年8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.4%だった。前年同月を上回るのは5カ月連続。ただ前月(0.8%)からは伸びが縮小した。前月まで上昇が続いていた車両用燃料(マイナス2.6%)がマイナスに転じた。一方、洪水の影響で生鮮野菜(9.1%)の伸びが加速している。

車両用燃料は3月以来の前年割れで、これを含む運輸・通信(マイナス1.0%)もマイナス。また、電気料金の低下で住居(マイナス0.9%)が3カ月連続の落ち込みとなった。一方、食品・非アルコール飲料(1.8%)は前月(1.3%)から加速し、23年6月以来、1年2カ月ぶりの高水準を記録。トマトやトウガラシなど野菜のほか、マンゴーやバナナなどの果物も値上がりが顕著だった。コメ(3.7%)は足元で伸び減速が続いている。

振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(0.6%)は、前月を0.1ポイント上回った。

同省は9月のCPIについて、8月から上昇が加速すると予測。指数を押し上げる要因として、軽油価格の上昇や、洪水被害を背景とする青果物の値上がりを挙げ、さらに海外情勢の悪化で商品価格や輸送費が上昇するリスクもあると指摘した。一方、電気料金や原油価格の低下、小売業の競争激化による値下げなどがインフレ上昇を抑制する要因になるとみている。24年の年間のCPI上昇率予測は0.0~1.0%(平均0.5%)とし、前月から据え置いた。


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