【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2024年7月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比9.1%減の32万9593台だった。前年同月を下回るのは3カ月連続。最大生産国のタイと2番目のインドネシアで引き続き2桁減となり、全体を押し下げた。
タイの生産台数は16.6%減
自動車ローンの与信厳格化などで1トンピックアップトラックを中心に国内販売が低迷し、生産も大幅な落ち込みが続いている。7月の国内新車販売台数は、新型コロナウイルスの影響があった21年8月以来、約3年ぶりの低水準を記録。完成車の輸出台数も2割減と低調だった。
インドネシアもタイと同様に生産販売が前年割れで推移。政策金利の高止まりなどで新車販売が低迷している。発表済みの8月についても、生産販売が共に15%弱の減少だった。足元で完成車輸出も落ち込みが続いている。
ベトナムの7月の生産台数は4.9%減と、2カ月連続のマイナスだった。ただ、販売台数は17.2%増と4カ月連続で伸びており、23年通期の3割近い落ち込みから回復傾向にある。販売増の主役は輸入車だが、9~11月に国内生産車の自動車登録料が再び半額化されることが決まり、国産車の巻き返しが期待される。
好調が続くフィリピンは、7月の生産が26.7%増、販売が6.1%増。販売は29カ月連続のプラスとなり、業界団体は年間の販売台数について、過去最多だった前年の42万9807台を2割近く上回り、50万台に達する可能性があるとみている。
マレーシアの7月の生産は5.1%増、販売は10.8%増で、共に2カ月ぶりのプラス。1~7月の販売は前年同期比7.2%増の46万2088台に拡大し、域内首位のインドネシア(17.5%減の48万4236台)との差が2万台ほどに迫っている。
1~7月の域内6カ国の生産台数は12.2%減の218万2896台、域内7カ国の販売台数は7.7%減の176万219台だった。