【亜州ビジネス編集部】
サイアム商業銀行(SCB)傘下の調査機関であるエコノミック・インテリジェンス・センター(EIC)は、2024年と25年の国内総生産(GDP)成長率の予測をそれぞれ前年比2.5%、2.6%と発表した。観光業が成長をけん引する一方、消費者の購買力低下による内需の低迷などが足かせとなり、低成長が続くとみている。
外国人観光客数は24年が3620万人、25年が3940万人と予測した。新型コロナウイルス流行前の19年の4000万人を依然として下回る見通し。新型コロナ流行前に全体の4分の1を占め最多だった中国からの団体旅行の回復が遅れていることが要因。一方、輸出額は24年が2.6%増、25年が2.8%増、インフレ率はそれぞれ0.6%、1.0%と予測した。
EICは経済成長を妨げる要因として他にも、◆国内自動車生産の減少◆中小企業を取り巻く競争の激化や消費者の購買力の低下――などを挙げた。特に自動車メーカーが電気自動車(EV)の流行に対応できなければ、国内生産能力の40%を失う可能性があると指摘した。