【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央銀行は18日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を0.25%下げて6.00%に改めると発表した。利下げは2021年2月以来、約3年半ぶり。国内のインフレ見通しは安定しており、経済成長を促す金融政策に転換した。
ロイター通信によると、アナリスト33人のうち30人が金利据え置きを予想しており、予想外の利下げとなった。米国の利下げサイクル開始が見込まれる中、インドネシアが先手を打つ形で利下げに踏み切った。
中銀は利下げにより、内需や投資の拡大を後押ししたい考え。一方、外資流入を促進して輸入物価の上昇を避けるため、為替安定化に向けた対策を強化する。通常より高い利回りを中銀が担保する証券の発行などでルピアが過度に売り込まれることを防ぐ。
中銀は24年の国内総生産(GDP)成長率が目標(4.7~5.5%)を達成できると予想。内需と輸出、政府支出の拡大がけん引するとみている。インフレについては、24~25年に目標レンジ(1.5~3.5%)に収まると予想した。8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は2.12%で、5カ月連続で減速している。
中銀は、新型コロナウイルス禍からの経済回復を後押しするため、20~21年に6度の利下げで政策金利を計1.50ポイント下げ、過去最低の3.50%とした。その後1年半にわたり据え置いたが、インフレ圧力を抑制するため、22年8月には3年9カ月ぶりとなる利上げに踏み切り、以降に6会合連続の利上げで5.75%とした。その後8会合連続で金利を据え置いたが、23年10月と24年4月に追加利上げし、6.50%まで引き上げていた。