【亜州ビジネス編集部】
アイカ工業は19日、バンコク近郊でシーラント材などを生産する接着剤メーカーの地場ADBシーラント(ADBS)を買収すると発表した。アジア地域で取り扱い製品を増やすと共に、グループの技術を生かしてADBS製品の高品質化を進め、域内で市場シェア拡大を図る。
シンガポールの統括会社アイカ・アジア・パシフィック・ホールディングがADBSの第3者割当増資を引き受け、11月末にも株式の49%、議決権の51%を取得。ADBSを連結子会社化する。取得額は3億5400万バーツ。ADBS親会社のアプライドDBの持ち株比率は現在の100%から51%に、議決権比率は100%から49%に下がる。
親会社の変更に伴い、ADBSはアプライドから賃借している工場や事務所を総額2億7900万バーツで買い取る。工場・事務所はバンコク近郊のサムットプラカン市に立地している。
ADBSは、アイカ・アジア・パシフィックにはないシーラント材を製品ラインアップに持つほか、溶剤ゴム系接着剤ではタイ国内で高いシェアを誇るという。アプライドはアイカ工業との合弁化で販売網の拡大や生産能力の増強に期待できるとしている。