【亜州ビジネス編集部】
日本グリーン電力開発(本社:東京都千代田区)は18日、インドネシアで調達した食用に適さないココナツを原料とする持続可能な航空燃料(SAF)の製造に成功したと発表した。生産効率やコスト、環境の面で優位となるSAFの量産の可能性が示されたとしている。今後は規模を拡大した実証などを行い、2030年の商用生産開始を目指す。
日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として、他者と共同開発した触媒を使用してニートSAF(100%バイオマス由来のSAF)を製造。航空燃料の国際品質規格に適合することも確認した。
規格外のココナツは南スマトラ州と北スラウェシ州で調達する。成熟していない、芽が出ている、割れている、腐っているといった実を集め、インドネシア国内でココナツ原油(CCO)に加工。CCOを日本に輸出してニートSAFを製造する。両州では年間で計60万トンの規格外ココナツを安定的に確保できるという。
日本グリーン電力開発によると、インドネシアで生産される年1400万トンのココナツのうち、規格外の実は3割に上る。規格外ココナツの持つ構造は従来のジェット燃料に近く、燃料変換の工程や水素消費量の削減に期待できるという。