【アセアン】24年の域内成長率4.5%予測、ADBが下方修正

【亜州ビジネス編集部】

アジア開発銀行(ADB)は25日発表した「アジア経済見通し2024年9月版」で、東南アジアの24年の国内総生産(GDP)成長率予測を4.5%とし、前回発表(7月)から0.1ポイント引き下げた。主要6カ国のうちシンガポールを上方修正した一方、タイを下方修正した。残り4カ国は据え置いた。

タイ(2.3%)は0.3ポイントの下方修正。輸出回復が予想よりも遅れていることに加えて、政府支出や民間投資の伸び悩みが足かせになるとしている。25年の成長率予測も0.3ポイント下方修正して2.7%とした。

シンガポール(2.6%)は0.2ポイントの上方修正。世界的な電子機器の需要回復により輸出が増加傾向にあることを受けて予測を引き上げた。

ベトナム(6.0%)とフィリピン(6.0%)、インドネシア(5.0%)、マレーシア(4.5%)は前回から据え置き。ベトナムは、今回の発表では9月上旬に北部を直撃した台風11号(国際名:ヤギ)の影響が考慮されておらず、力強い輸出の回復が続いているとした。一方、同国政府は台風11号による被害でGDP成長率が0.15%押し下げられる見通しを示している。

主要6カ国以外では、◆カンボジア=5.8%◆ラオス=4.0%◆ブルネイ=3.7%◆東ティモール=3.1%◆ミャンマー=0.8%――と予測した。

東南アジア全体では、公共投資支出の低迷と輸出回復の遅れが成長を押し下げると指摘し、11月の米大統領選や地政学的な緊張の高まりなどを下振れリスクに挙げた。


亜州ビジネスASEAN
https://ashu-aseanstatistics.com/

この記事をSNSでシェア!


一番上へ戻る