【亜州ビジネス編集部】
フィリピン中央銀行は16日、金融政策決定会合の結果、政策金利である翌日物借入金利を0.25ポイント引き下げて6.00%に改めると発表した。利下げは2会合連続。インフレ見通しが目標レンジ内にある中、追加利下げで景気拡大をさらに後押しする。
中銀は今回、24年のインフレ予想を前回会合の3.3%から3.1%に下方修正した。電気料金や最低賃金の引き上げを踏まえて25年と26年はそれぞれ3.3%、3.7%に上方修正したものの、目標レンジの2.0~4.0%には収まるとの見方で、利下げ余地があると判断した。
中銀は、国内経済が引き続き強い成長を見込めると予想。家計収入や消費、投資、政府支出の拡大が支えになるとした。国内では8月に3年9カ月ぶりに利下げし、また米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切ったことも、成長の追い風になるとみている。
中銀は、景気が悪化したコロナ禍で2.00%まで利下げした後、22年以降の利上げを経て、24年8月に金融緩和に転じた。