【亜州ビジネス編集部】
2月の大統領選で勝利したプラボウォ前国防相(73)が20日、第8代目の大統領に就任した。10年ぶりのトップ交代で、ジョコ前大統領が掲げた経済・インフラ開発政策を踏襲しつつ、外交や安全保障を強化する姿勢を見せている。各紙が伝えた。
宣誓式ではインドネシアのさらなる自立と独立性を強調。5年以内の食糧自給自足を目標とし、エネルギー自給も目指すとした。またインドネシアの非同盟主義を掲げ、中東紛争ではパレスチナ支援の姿勢を示し、ガザ地区への支援物資送付の準備を進めると述べた。
閣僚53人から成る内閣の組閣も発表。大連立政権を組む交渉で各政党に大臣級ポストを約束する中、役職を19増やした。スリ・ムルヤニ財務相やアイルランガ・ハルタルト経済調整相らは留任。大統領選を共に戦ったジョコ氏長男のギブラン氏を副大統領に任命した。また元特殊部隊のスギオノ氏を外務相に任命しており、外交・防衛に重点を置く姿勢を見せている。
プラボウォ氏は特殊部隊の元指揮官で、14年と19年の大統領選ではともにジョコ氏に敗れた。今年2月の大統領選では、ジョコ氏の経済・インフラ開発政策を踏襲する姿勢で選挙戦を戦い、60%近い得票率で勝利した。