【亜州ビジネス編集部】
厨房機器のホシザキは1日、中国の事業拠点を再編し、ビジネス構造を転換すると発表した。機能間での連携スピードを加速し、個々のユーザーへの対応力と価格競争力を高める狙いがある。長期的成長に向けたさらなる競争力強化のため、3社に分かれている開発、製造、販売の機能を1社に統合した。
ホシザキは1998年に販売を担う北京事務所(2004年に現「星崎冷熱機械(上海)有限公司」を設立し機能移転、以下、星崎上海)設立後、2006年に製造工場として星崎電機(蘇州)有限公司(星崎蘇州)、12年に中国事業を統括する星崎(中国)投資有限公司(星崎投資)を立ち上げ、中国のビジネス基盤を拡大してきた。また24年1月には、急速に変化する中国市場と顧客ニーズに応えるため、研究開発センター(星崎投資の商品開発本部)を大連に設立し、現地開発力を強化している。
今後は星崎投資の開発、星崎上海の販売、星崎蘇州の製造の3社に分かれている機能について、星崎蘇州を母体とする1社に経営統合。25年1月2日付で統合会社として業務を開始する予定だ。経営統合に先立ち、星崎蘇州は10月18日付で「星崎商厨智造(蘇州)有限公司(所在地 :江蘇省蘇州市)」に社名を変更している。
ポストコロナの中国飲食市場では、消費者の食に対する嗜好の多様化、レストラン、ティー・コーヒーチェーン、ファーストフード、ベーカリーなど多様な業態の飲食チェーン店による開店増加などの構造変化が起きている。コロナ禍での経済的なダメージにより、特に多店舗展開する飲食チェーン店では、1店舗当たりの投資コストを抑制する動きが顕在化している。このようなチェーン店では、多数の店舗共通のオーダーメイド製品を低価格かつ迅速に求める傾向にある。さらにホシザキでは、欧米や日本での市場経験から、今後中国でも全飲食店に占めるチェーン展開する飲食ブランドの割合が増加すると見込んでいる。