【アセアン】9月の域内車生産17%減、販売はタイが国別5位転落

【亜州ビジネス編集部】

東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2024年9月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比17.0%減の30万6372台だった。前年同月を下回るのは5カ月連続。最大生産国のタイで落ち込みが加速し、全体を押し下げた。タイは自動車ローンの与信厳格化を背景に市場が低迷。新車販売台数はフィリピンに抜かれ、集計上で域内4位となった。集計に含まれないメーカーも含むと、ベトナムを下回る5位に転落したとみられる。

タイは生産が25.5%減、販売が37.1%減と、共に前月を上回る落ち込み。販売台数は3万9048台で、新型コロナウイルスの行動制限があった20年4月以来、4年5カ月ぶりの少なさとなった。ローン規制に加え、北部などの大雨・洪水も販売減の要因になったとされる。

タイは以前までインドネシアに次ぐ域内2位の市場だったが、23年半ばからマレーシアに抜かれ3位に定着。24年9月は好調が続くフィリピン(3万9542台)もやや下回った。一方、ベトナムは大手2社が集計に含まれておらず、両社を加えた全体の販売台数は9月に5万台を超え、フィリピンとタイを上回ったとみられる。

ベトナムは生産販売台数とも9カ月ぶりの高水準だった。9月に国内生産車の自動車登録料の半額化が始まり、追い風となった。フィリピンの販売は31カ月連続のプラス。生産は3割近いプラスを維持している。

一方、インドネシアは高金利などで生産販売とも低迷が続く。現地報道によると、インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)は10月下旬、同国の年間販売目標を当初の110万台(前年実績比9.4%増)から85万台(15.5%減)に下方修正した。9月はマレーシアも生産販売が大きく落ち込み、重要政策発表前の買い控えがあったと報じられている。


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