【亜州ビジネス編集部】
旭化成は15日、樹脂原料のアクリロニトリルなどを生産販売する国営石油PTTグループとの合弁事業を終了すると発表した。東南アジア顧客向けに供給してきたが、近年は経済環境の低迷や原料コストの上昇による競争力低下、中国での生産能力増強を背景とする需給の悪化により業績が悪化。今後の事業継続が困難と判断した。
合弁会社のPTT旭ケミカル(PTTAC)が同日の株主総会で、事業終了と工場設備の撤去を決議した。先月末に生産を終了しており、今年末には販売活動も停止。2028年までに工場設備の撤去工事を終える。
同合弁は06年設立。旭化成と、PTT傘下で石油化学大手のPTTグローバル・ケミカル(PTTGC)が50%ずつ出資している。東部ラヨン県に工場を構えており、従業員数は235人。アクリロニトリルのほか、樹脂原料のメタクリル酸メチル(MMA)なども生産販売している。