【亜州ビジネス編集部】
国家経済社会開発委員会(NESDC)が18日発表した2024年第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比で3.0%だった。前四半期(2.2%)を上回り、2四半期連続で加速。2年ぶりの高水準となった。個人消費や民間投資は低調だったものの、前四半期まで落ち込みが続いていた公共投資が大きく拡大し、政府支出や物品輸出も前四半期を上回る伸びだった。同委員会は今回の結果を受け、24年のGDP成長率予測を前年比2.6%に修正。3カ月前の予測(2.3~2.8%)から範囲を狭めた。
政府投資(25.9%)は前四半期まで予算成立の遅れなどでマイナスが続いていた反動があり、道路や橋などの建設分野で大きく伸びた。政府支出(6.3%)も伸びが加速。輸出(10.5%)は物品輸出(8.3%)の伸びが22年第1四半期以来の高さとなった。コメや電子製品などが好調だった。
一方、GDPの6割超を占める個人消費(3.4%)は4四半期連続で鈍化。ローン審査の厳格化を背景とする新車販売の落ち込みが響いた。民間投資(マイナス2.5%)は2四半期連続の前年割れで、自動車産業の設備投資が減少した。
GDPを生産面から見ると、製造業(0.1%)が2四半期連続のプラスながら伸びが減速。電子製品や機械などの生産が拡大する一方、自動車などが前年割れとなった。観光関連は引き続き好調で、宿泊・食品サービス(8.4%)は前四半期の伸びを上回っている。
1~9月のGDP成長率は前年同期比で2.3%だった。同委員会は24年通期のGDP成長率を2.6%と予測。3カ月前の予測から輸出や個人消費を上方修正する一方、民間投資は引き下げた。25年のGDP成長率は2.3~3.3%を見込む。