【亜州ビジネス編集部】
カシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センター(KRC)は18日、2024年の実質国内総生産(GDP)成長率予測を前年比2.6%と発表し、8月の前回予測から据え置いた。第1~3四半期のGDP成長率が前年同期比で2.3%にとどまったものの、第4四半期に公共投資や輸出などが拡大し、経済成長をけん引するとみている。また、国民の大半に1万バーツの電子通貨を給付する「デジタルウォレット政策」の実施も追い風になると見込む。
24年の公共投資は2.8%増と予測し、前回予測(2.0%減)から引き上げた。輸出額の予測は前回予測(2.5%増)を上回る3.2%増に修正。個人消費は4.6%増、政府支出は2.0%増にそれぞれ上方修正した。
一方、民間投資は0.7%減と予測し、前回予測(0.5%増)から下方修正。外国人観光客数の予測も前回予測(3600万人)から引き下げて3560万人とした。外国人観光客数は、新型コロナウイルス流行前の19年の4000万人を11%下回る水準となる。インフレ率は0.5%に据え置いた。
国家経済社会開発委員会(NESDC)が同日発表した24年第3四半期の実質GDP成長率は、前年同期比で3.0%だった。前四半期(2.2%)を上回り、2四半期連続で加速。2年ぶりの高水準となった。予算成立の遅れで前四半期まで落ち込みが続いていた公共投資が大きく拡大し、政府支出や物品輸出も前四半期を上回る伸びだった。同委員会も24年のGDP成長率予測を2.6%としている。