【亜州ビジネス編集部】
債務者の信用情報を収集・提供する国家信用報告機関(NCB)のデータによると、2024年第3四半期末の家計債務残高は前年同期末比0.5%増の13兆6128億バーツだった。種類別では、全体の4割近くを占める住宅ローンが3.0%増えた一方、2割弱の自動車ローンが5.8%減少した。
口座数は1.9%増の8527万口座。全体の3割弱を占めるクレジットカード口座が1.5%増とけん引した。一方、ローン審査が厳格化する中で住宅ローン口座は1.2%減、自動車ローン口座は3.0%減と落ち込んだ。
90日以上延滞している不良債権(NPL)の残高は14.1%増の1兆1951億バーツ。種類別では住宅ローンが28.0%増の2325億バーツ、自動車ローンが22.8%増の2547億バーツとなり、増加傾向が続いている。NCBは特に、中小企業向けのコマーシャルローンが20.1%増の793億バーツと拡大したことに懸念を示した。
一方、30~89日延滞している要注意債権(SML)は2.6%減の4796億バーツ。種類別では、住宅ローンが4.9%増の1433億バーツ、自動車ローンが5.6%減の2015億バーツだった。金融機関は不良債権化のリスクを防ぐため、自動車ローンなどの審査を厳格化しており、国内新車販売の低迷の要因となっている。