【亜州ビジネス編集部】
商務省の26日発表によると、2024年10月の輸出額は前年同月比14.6%増の272億2210万米ドルだった。4カ月連続のプラスとなり、金額は22年3月以来の高水準を記録。電子製品の世界的な需要拡大に加え、トランプ新政権による追加関税を警戒して機械や原材料を前倒しで調達する動きが強まったとことも輸出を押し上げる要因になったとしている。輸入額は15.9%増の280億1640万米ドルで、過去最高額を更新。貿易収支は7億9420万米ドルの赤字だった。
輸出額は、全体の8割を占める主要工業製品が18.7%増、2割弱の農産物・加工品が7.2%増など。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は10.7%増だった。
電子製品(29.6%増)は主力のコンピューター・部品(77.5%増)がけん引し、米国や中国、欧州連合(EU)などへの輸出が拡大した。電子以外では、機械・部品(43.0%増)やゴム製品(27.2%増)、化学製品(18.7%増)などの伸びが大きかった。
一方、車両・部品(13.0%減)は6月連続の前年割れ。中東情勢の悪化や輸出先の需要低迷を背景に乗用車と1トンピックアップが大きく落ち込んだ。
主要国への輸出は軒並み拡大
全体の2割近くを占め最大の米国(25.3%増)向けが好調に推移しており、コンピューター・部品のほか電話・部品やゴム製品の伸びが寄与した。2番目に大きい中国(8.5%増)は、ゴム製品やコンピューター・部品の増加で前月のマイナスからプラスに転換。また、3番目の日本(7.0%増)は9カ月ぶりのプラスとなり、鶏肉加工品や機械・部品などが伸びた。
輸入額は、資本財(25.7%増)に含まれるコンピューター・部品(187.7%増)が急伸し、他にプリント基板(PCB、24.5%増)やアルミニウム・アルミ製品(38.7%増)なども拡大。一方、鉄・鉄鋼製品(8.3%減)や、電気自動車(EV)を含む自動車(36.6%減)は引き続きマイナスだった。
1~10月の累計は、輸出額が前年同期比4.9%増の2503億9800万米ドル、輸入額が6.6%増の2571億4920万米ドル、貿易収支が67億5120万米ドルの赤字だった。同省は輸出拡大が当面続くと予測。24年の年間輸出額は前年比3.8%増の2960億米ドルを見込む。