【フィリピン】25年のGDP成長率6~8%予測、政府が上下限拡大

【亜州ビジネス編集部】

政府の予算調整委員会(DBCC)は2日、2025年の実質国内総生産(GDP)成長率(前年比)の予測を6.0~8.0%と発表した。6月の前回予測(6.5~7.5%)から上下限とも拡大。国内外の不確実性の高まりを反映したとしている。24年の予測は6.0~6.5%とし、第3四半期の伸び減速を受けて上限を0.5ポイント引き下げた。

25年の予測はほかに、インフレ率(2.0~4.0%)と物品輸出額の伸び率(6.0%)、物品輸入伸び率(5.0%)を据え置いた。政府は25年も23~28年の国家開発計画に基づき、インフラ投資の加速や事業環境の改善、国家競争力の強化などに取り組むとしている。

25年の通貨ペソの対米ドルレートは1米ドル56~58ペソと予測し、前回予測(55~58ペソ)から下限を引き上げた。海外からの送金の増加や観光業の回復などを背景に安定的に推移すると見込む。原油価格は1バレル60~80米ドル(前回予測は65~85米ドル)を想定した。

一方、24年は輸出伸び率を4.0%とし、前回予測(5.0%)から下方修正した。足元の輸出減速や、主要輸出品である半導体の国内業界による予測の引き下げを考慮したとしている。

24年第3四半期のGDP成長率は前年同期比で5.2%に減速。輸出の落ち込みや台風被害による農業の不振などで5四半期ぶりの低水準となった。1~9月は前年同期比5.8%だった。


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