【亜州ビジネス編集部】
国家電気自動車(EV)政策委員会(委員長:ペートンタン首相)は4日、補助金交付と減税を柱とする政府のEV振興策の第1期「EV3.0」に義務付けていた生産台数に関する条件を緩和することを承認した。足元でEV販売が低調に推移する中、供給過剰による価格競争を抑制する狙い。一方、7月の会合で決定したハイブリッド車(HV)に対する税優遇措置の対象を、電圧60ボルト(V)未満のマイルドHVに広げることも決めた。
EV3.0では、補助金などの適用を受けるメーカーに対し、24年に輸入台数と同数、25年に1.5倍の国内生産を義務付けていた。今回の決定では生産期限の先延ばしを可能にし、24年に始まった振興策の第2期「EV3.5」と同じ条件で生産できるようにする。EV3.5では、26年に輸入台数の2倍、27年に3倍の国内生産を義務付けている。
また、EV3.0に基づいて輸入し、まだ販売していない車両がある場合は再輸出を認める。再輸出した分は生産義務の適用外とする。
一方、マイルドHVの税優遇措置は、HVと同様に10人乗り以下の車両が対象で、税率は二酸化炭素(CO2)排出量によって決まる。HVよりもマイルドHVの税率を高く設定。投資額の条件もHVより厳しく、HVの最低投資額を30億バーツ(約132億円)以上とする一方、マイルドHVには24~26年に10億バーツ以上、また、24~28年に50億バーツ以上の投資を義務付ける。HVの税優遇と同様に国産部品の使用などの条件も課す。