【亜州ビジネス編集部】
カシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センター(KRC)は、2025年の国内の石油燃料消費量(ガソリンと軽油のみ)が前年比0.8%増となり、前年(0.4%増)から伸びがやや加速するとの予測を発表した。生産活動の回復を受け、輸送部門で0.9%増、産業部門で0.6%増となる見通し。一方、発電部門は13.8%減に落ち込むとみている。
消費量全体の約85%を占める輸送部門では、農産物の出荷増や、ガソリン価格の低下に伴う自家用車の利用拡大が追い風になると予測。ガソリンの消費量は0.5%増となり、前年(1.0%減)からプラス転換するとみている。軽油は1.1%増加するものの、価格の高止まりを受け、前年(2.0%増)からは鈍化する見通し。他にも消費量に影響を与える要因としては、電気自動車(EV)の普及拡大があると指摘した。
全体の約15%を占める産業部門では、生産活動の回復や政府予算の執行を背景に農業機械や建設機械などの稼働が高まり、軽油の消費が増えると予測。軽油の消費量は0.6%増となり、前年(1.3%減)からプラス転換するとみている。
一方、発電部門では、タイ湾のエラワン鉱区で天然ガスの生産が再開され、発電用の軽油の消費が大きく減少する見通し。ただ、発電部門が全体に占める割合は0.2%にとどまることから、全体に与える影響は小さいとしている。