【アセアン】日本製造業の有望投資先、ベトナムが2位を維持

【亜州ビジネス編集部】

国際協力銀行(JBIC)が12日発表した、海外に現地法人を置く日本の製造業者へのアンケート調査結果によると、「中期的(今後3年程度)に有望と考える事業展開先国・地域」で、ベトナムが2位、インドネシアが4位、タイが5位に入った。ベトナムは2年連続で2位となった。コスト面で優位なことなどから脱中国の受け皿としての期待が高まっている。一方、中国が前年の3位から過去最低となる6位に後退し、インドネシアとタイは1つずつ順位を上げた。

調査は2024年7~9月に936社を対象として実施。495社から回答を得た(回答率52.9%)。1989年から毎年行われているもので、今回が36回目となる。全体ではインドが3年連続の首位となり、米国(3位)も中国を抜いて順位を1つ上げた。

東南アジアでは他に4カ国が20位以内に入った。マレーシア(8位)とフィリピン(9位)は前年から順位が逆転。シンガポール(16位)は前年の25位から躍進した。カンボジア(20位)は順位を1つ下げた。

ベトナムを選んだ企業の割合は全体の31.3%と、前年から1.2ポイント上昇。中国が得票率を下げる中、現地市場の成長性や安価な労働力などを背景に生産拠点としての評価が高まった。ただ、具体的な事業計画があるとする企業の割合はトップ10の国で2番目に低く、JBICは「イメージ先行」の可能性があると指摘した。

インドネシアを選んだ企業の割合は全体の25.4%で、0.8ポイント上昇。ベトナムと同様に現地市場の成長性や安価な労働力が評価され、比較的安定した内需向けの投資が有望視されている。課題には労働コストの上昇や、法制の運用の不透明さが挙げられた。

一方、タイは順位を上げたものの、同国を選んだ企業の割合は18.8%と、前年から2.7ポイント低下。過去最低の得票率となった。現地市場の現状規模や成長性などが有望視されているものの、労働コストの上昇が課題となり、技術職・管理職の人材確保の難しさが懸念されている。


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