【亜州ビジネス編集部】
政府は24日の閣議で、1日当たりの法定最低賃金を来月1日付で地域別に7~55バーツ引き上げることを承認した。東部の経済特別区「東部経済回廊(EEC)」の3県と南部リゾート地の一部では400バーツに上昇する。政府は全国一律で400バーツへの引き上げを目指したが、財界からの反発を受けて今回は断念した。各紙が伝えた。
新たな最低賃金は地域別に337~400バーツとなる。400バーツの地域はEECのラヨーン県、チョンブリー県、チャチュンサオ県と、南部のプーケット県、スラタニー県サムイ島郡の4県と1郡。ラヨーンとチョンブリーの上げ幅は39バーツ、チャチュンサオは50バーツとなる。ほか、バンコク都など首都圏の1都5県は9バーツの引き上げで372バーツに、工場が多い中部アユタヤ県は7バーツの引き上げで357バーツにそれぞれ上昇する。
今回は全国を77都県と3郡の80地域に分けて最低賃金を設定した。上げ幅が最も大きい55バーツの地域はサムイ島郡のみで、67県では7バーツの引き上げにとどまる。賃金が最も低い南部国境付近のナラティワート県、パッタニ県、ヤラー県は337バーツで、7バーツの引き上げとなる。
新たな最低賃金は政労使の3者で構成される賃金委員会(委員長:ブンソン労働次官)が23日の会議で決定した。労働省によると、全国平均の上昇率は2.9%という。
現在の最低賃金は都県別に330~370バーツで、他に今年4月以降は一部地域の観光業に限定して400バーツに引き上げられた。今回は観光業を除くと1年ぶりの引き上げとなる。これまでの都県別と異なり、新たにサムイ島郡と、大都市の北部チェンマイ県チェンマイ郡、南部ソンクラー県ハジャイ郡の3郡で個別に最低賃金が設けられた。