【マレーシア】25年の新車販売、4~8%減予想=金融3社

【亜州ビジネス編集部】

国内の投資銀行や証券会社など3社は、2025年の国内新車販売台数が73万~75万5000台となり、24年を4~8%下回ると予想している。記録的な販売が続く23~24年に比べて特段の成長要因がなく、ガソリン補助金の部分削減が予定される中、買い控えの動きが強まるとみている。ニュー・ストレーツ・タイムズなどが26日付で伝えた。

RHBインベストメントバンクは、25年の販売台数が73万台となり、前年見込みの79万台から8%減少すると予想。販売を促進する特別な要因がない一方、中国系メーカーの進出加速が進む中、消費者がさらなる値下げを期待して購入を遅らせる傾向が強まるとみている。

メイバンク・インベストメントバンクは75万台と予想する。24年見込みの80万台から6%減少するとの見方。24年12月の公務員昇給や25年2月の最低賃金引き上げがプラスに働き、10万リンギ(約352万円)以下の低価格車両は好調を維持するが、その他のセグメントでは落ち込むとみている。国民車メーカーのプロドゥアやプロトン、またトヨタなど市場上位の工場でフル稼働状態が続いており、設備増強しない限り販売が伸びにくい状況でもあるとしている。

CIMB証券は25年の販売台数が前年比4%減の75万5000台に落ち込むと予想。25年半ばに予定されているレギュラーガソリン(RON95)補助金の部分削減が影響するとみている。また輸入関税の算定基準となる公開市場価格(OMV) が改定された場合、自動車の販売価格が上昇して市場が冷え込むとの見方を示した。

一方、国内の電気自動車(EV)販売は25年も引き続き増加すると見込む。輸入EVに対する関税免除措置が25年末まで続くことや、充電インフラの拡充が背景にあるとしている。

なお自動車関連のOMV改定は足元で数回にわたり延長されているが、24年末に期限を迎える現行表が据え置かれるかは未定。マレーシア自動車協会(MAA)は先に、改定が行われた場合、輸入車に限らず国内組立生産車でも価格が8~20%上がる可能性があるとの見方を示している。

23年の国内新車販売台数は前年比10.9%増の79万9731台。国内経済の回復や社会政治情勢の安定、各社の新モデル投入などで過去最高だった前年の記録を更新した。24年についてはMAAやホンリョン・インベストメントバンク・リサーチが80万台と予想しており、さらに記録を更新する見通しとなっている。


亜州ビジネスASEAN
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