【ベトナム】24年のGDP成長率7.09%、目標大きく上回る

【亜州ビジネス編集部】

ベトナム統計総局は6日、2024年の国内総生産(GDP)成長率が7.09%だったと発表した。23年の5.05%から伸びが加速し、11年以降では4番目の高さを記録。国会目標の6.0~6.5%を大きく上回った。9月上旬に北部を直撃した台風の影響は限定的で、消費と投資、輸出が堅調を維持。産業別では工業とサービス業が成長をけん引し、特に製造業や小売り、運輸、宿泊業などが顕著な伸びを見せた。

成長率は全3産業でプラスだった。最も高かったのは第2次産業(工業・建設業)の8.24%で、前年の3.74%から大幅に伸びた。中でも製造業が9.83%と高く、輸出受注の減少で低迷した前年の3.62%から大きく拡大。建設業も7.87%と好調だった。一方、鉱業はマイナス7.24%だった。

第3次産業(サービス業)も7.38%と好調で、前年の6.82%から伸びが加速した。同産業では運輸・倉庫が10.82%で最も伸びが大きく、管理・支援サービスが10.56%、宿泊・外食サービスが9.76%で続いた。第1次産業(農林水産業)は3.27%で、前年の3.83%から減速した。

24年のGDP成長率を支出別にみると、消費は6.57%、投資は7.20%、輸出は15.45%、輸入は16.10%と、いずれも拡大した。

名目GDPは約1京1512兆ドン(約71兆円)。1人当たりGDPはドン建てで1億1400万ドン、米ドル建てで4700米ドルとなり、前年比で377米ドル(8.7%)増加した。

25年の成長率については国会が24年11月、6.5~7.0%を目標とする決議を採択。政府はこれを上回る7.0~7.5%を目標としており、ファム・ミン・チン首相は8.0%を目指すよう省庁に発破をかけている。

4Qは7.55%に加速、工業けん引

24年第4四半期のGDP成長率は7.55%で、24年中では最も伸びが高かった。第1~3四半期は順に5.98%、7.25%、7.43%と右肩上がりで、工業とサービス業が成長をけん引した。

第4四半期の成長率を産業別にみると、工業・建設業が8.35%と最も高かった。ただ前四半期からはやや減速した。分野別にみると、建設業が8.33%と伸びが加速した一方、製造業は9.97%で前四半期から減速した。サービス業も8.21%と高く、中でも宿泊・外食サービスが10.28%と伸びた。一方、農林水産業は2.99%で、前四半期からやや加速した。

GDP成長率を支出別にみると、消費は7.54%、投資は7.98%、輸出は11.35%、輸入は13.49%だった。


亜州ビジネスASEAN
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