【亜州ビジネス編集部】
商務省が6日発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で1.2%だった。前月(1.0%)を上回り、4カ月連続で伸びが加速。前年同期に政策要因で下落していた車両用燃料が反動で大きく上昇し、指数全体を押し上げた。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(0.8%)は、前月から横ばいだった。
前年同期に軽油価格が政策で抑えられていたため、ベース効果があって車両用燃料(6.6%)が急伸。これを含む運輸・通信(2.7%)の伸びは23年1月以来の高水準となった。一方、食品(1.3%)は前月から横ばい。うち10月まで洪水などの影響で高騰していた生鮮野菜(マイナス3.9%)は2カ月連続の前年割れとなった。
24年のCPIは前年比で0.4%だった。同省は25年について、0.3~1.3%(平均0.8%)となり、24年を上回る可能性が高いと予測。国内経済の拡大や軽油価格の上昇が指数を押し上げる要因になるとの見方を示した。一方、政府による電気料金の抑制や、生鮮野菜価格の正常化、不動産・自動車市況の低迷などがインフレの抑制要因になるとみている。原油価格は1バレル70~80米ドル、通貨バーツの対米ドルレートは1米ドル34~35バーツを見込む。