【亜州ビジネス編集部】
タイの旅行業界団体によると、春節期間にタイを旅行する中国人旅行客は10~20%減少する可能性がある。タイの旅行業界にもたらす経済的な損失は50億バーツに上るとの試算だ。中国人の若手俳優、王星さんが今月3日にタイで誘拐され、7日にミャンマーで保護された事件を受け、安全面での懸念が広がっている。中国メディアの金融界が13日、タイ現地紙の報道を引用する形で伝えた。
実際、王さん誘拐事件の後、中国のオンライン旅行プラットフォームや旅行会社にはタイ旅行の安全に関する問い合わせが増えているという。一部の旅行者はキャンセル、または渡航先の変更を行っている状況だ。
タイは中国人の間で人気の旅行先。フライト情報アプリを提供する航旅縦横によると、今年の春節連休(1月28日~2月4日)で最も人気の渡航先はタイのバンコクとなっていた。同国のリゾート地、プーケットもランキングに入っている。
なお、王さんはSNSでの仕事募集に応じてタイに入国した後、行方不明となり、ミャンマーで特殊詐欺の訓練を受けさせられていたという。ミャンマーの国境地帯では、人身売買の被害に遭った外国人らが強制的にオンライン詐欺などに加担させられる事件が多発している。