【ベトナム】25年のGDP成長率予想、7%に上方修正=UOB

【亜州ビジネス編集部】

シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は9日、2025年のベトナムの国内総生産(GDP)成長率予測を0.3ポイント引き上げ、7.0%に上方修正したと発表した。7.09%に上った24年の勢いを維持するが、米トランプ第2次政権の発足に伴う貿易や金融、地政学面でのリスクが一定の下方圧力を加える可能性があるとして、前年からは減速するとの見方。ザ・インベスターが伝えた。

ベトナム国会が承認した25年の成長率目標は6.5~7.0%だが、ファム・ミン・チン首相は関係機関に対して8.0%超えを目指すよう指示。UOBは、政府の現在の財政支出のスタンスなどから8%成長は難しいが、高い目標を設定することで国内外の投資誘致やインフラ開発の加速を促し、中長期的な経済基盤の強化につながる可能性があると評価している。

一方でトランプ次期政権による追加関税について、UOBは急激な税率引き上げではなく、慎重かつ段階的に進められると予想。輸出依存が高いベトナム経済への影響は、25年後半から現れる可能性があるとみている。

25年のインフレ率については、政府の抑制目標である4.5%を下回ると予想。ベトナム中央銀行が設定する政策金利については、トランプ政権や米連邦準備制度理事会(FRB)、地政学的緊張の動向を探りながら当面は据え置かれるとみるが、年後半に利下げ余地が生まれる可能性があるとしている。

為替については、25年もドン安傾向が続く見通しという。米大統領選があった24年11月ごろにとりわけドン安が進み、同年末のレートは1米ドル=2万5485ドンと1年で5%ドン安が進行しており、25年第3四半期には2万6200ドンまで下げ、同年末には2万6000ドンへやや戻すとみている。

なおアジア開発銀行(ADB)はベトナムの25年のGDP成長率を6.6%と予想。地場ビナキャピタルは6.5%、英スタンダード・チャータード銀行は6.7%を予想している。


亜州ビジネスASEAN
https://ashu-aseanstatistics.com/

この記事をSNSでシェア!


一番上へ戻る