【マレーシア】中銀が政策金利据え置き、10会合連続

【亜州ビジネス編集部】

マレーシア中央銀行は22日、定例の金融政策決定会合の結果、翌日物政策金利(OPR)を3.00%に維持する決定を下したと発表した。据え置きは2023年7月から10会合連続。現行の金利水準で経済成長と労働市場安定、インフレ抑制を支えられるとみて据え置きを決めた。

国内総生産(GDP)成長率は24年に5.1%(1次速報)と、2年ぶりに伸びが加速しており、中銀は、予想通りの伸び率になったと説明。主要国の景気改善と貿易拡大で世界経済が予想を上回る成長となったことがマレーシア経済にもプラスに働いたとした。25年の国内経済については、最低賃金引き上げや複数年にまたがる大型事業の進展などを背景に消費と投資が伸びると予想。世界経済については、労働市場の改善やインフレの鈍化、金融政策の緩和によって成長が支えられるが、貿易・投資規制の不確実性は強いとしている。

24年のインフレ率は平均1.8%。世界的にインフレが落ち着き、国内でも商品需給の崩れがなく緩やかな伸びにとどまった。中銀は25年について、世界的な物価上昇圧力の緩和と国内需給の安定が見込まれ、インフレは管理可能な範囲にとどまる見通しとしている。

通貨リンギについては、外部要因に大きく左右されると指摘。足元では先進国との金利差縮小がリンギにとってプラスに働いているとしている。

中銀は22年5月、OPRを1.75%から2.00%に引き上げ、4年4カ月ぶりの利上げを敢行。それまで10会合連続で過去最低の金利水準を維持していたが、新型コロナウイルス禍からの経済回復が明確に見られ、インフレ圧力が高まる中で金融正常化にかじを切った。以降は4会合連続の利上げで1.00ポイント引き上げ2.75%とし、23年5月の会合でさらに3.00%まで引き上げたが、その後は据え置いている。


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