【タイ】24年の輸出5%増、電子が好調・自動車は落ち込む

【亜州ビジネス編集部】

商務省の23日発表によると、2024年の輸出額は前年比5.4%増の3005億2950万米ドルだった。前年を上回るのは2年ぶりで、金額は過去最高を更新。コンピューター・部品を中心とする電子製品が2桁増となるなど、自動車を除く主要品目の多くがプラスとなった。輸入額は6.3%増の3068億980万米ドルで、こちらも過去最高を記録。貿易収支は62億8020万米ドルの赤字だった。

輸出額は8割を占める主要工業製品が5.9%増、2割弱の農産物・加工品が6.0%増と、そろって拡大。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は5.4%増だった。

工業製品の輸出では電子製品(14.4%増)の伸びが大きく、主力のコンピューター・部品(38.1%増)がけん引した。年間を通じて好調に推移しており、秋以降は米国の関税引き上げを警戒した前倒しの輸出も増えたとされる。電子以外では、電気製品(3.0%増)が2年ぶりのプラスに転じ、エアコン・部品などが伸びた。ゴム製品(7.6%増)も拡大した。

一方、車両・部品(6.8%減)は2年ぶりの前年割れを記録。乗用車やピックアップトラック、バイクなどが軒並み落ち込んだ。中東情勢の悪化などを背景に低迷している。

輸出先別では、最大の米国(13.7%増)や2番目に大きい中国(3.1%増)で前年を上回る一方、日本(5.3%減)はマイナスだった。

輸入額は、原材料・半製品に含まれるアルミニウム・アルミ製品(23.5%増)などが拡大。一方、鉄・鉄鋼製品(7.2%減)や、車両・輸送機器に含まれる自動車(38.8%減)などは落ち込んだ。

12月単月では輸出額が前年同月比8.7%増の247億6590万米ドル、輸入額が14.9%増の247億7650万米ドル、貿易収支が1060万米ドルの赤字。輸出額は6カ月連続のプラスとなった。

25年は2~3%増へ

同省は25年の輸出額が2.0~3.0%拡大するとの予測を明らかにした。世界経済の成長や各国のインフレ緩和、タイを含む東南アジアへの企業の生産移転の増加などが輸出の後押しになると見込む。一方、米国の貿易政策の不透明さや中東などの地政学的緊張の長期化に警戒する必要があると指摘した。


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