【タイ】24年の新車販売57万台、15年ぶり低水準

【亜州ビジネス編集部】

タイ国トヨタ自動車(TMT)の30日発表によると、2024年の国内新車販売台数は前年比26.2%減の57万2675台だった。前年割れは2年連続。家計債務の増加を背景とした購買力の低下や金利の高止まり、ローン審査の厳格化などが逆風となった。台数はリーマンショックの影響があった09年以来、15年ぶりの少なさ。特に不振の1トンピックアップトラックは01年以来の低水準だった。TMTは25年の新車市場を60万台と予測。緩やかに回復するものの、引き続き厳しい状況が続くと見ている。

24年は乗用車、1トンピックアップトラックとも年初から2桁のマイナスが続き、年間ではそれぞれ23.4%減、38.4%減だった。商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)は2.9%増の11万7800台。8月まで好調だったことでプラスを維持したものの、足元では落ち込みが続いている。

24年は電気自動車(EV)を中心とする中国系の進出が引き続き拡大した。中国系は13社合計で7万3755台を販売し、市場シェアが前年を1.9%ポイント上回る12.9%に上昇した。ただ販売台数は前年から13.8%減少している。政府のEV補助金が減額されたことで各社が販売を減らした。タイ工業連盟(FTI)によると、乗用EVの販売台数は全体で9.3%減の6万6732台だった。

日系9社のシェアは76.7%と、前年から1.1ポイント低下。各社が苦戦を強いられる中、24年はスバルとスズキが現地生産からの撤退、輸入販売への切り替えを表明した。

TMTは25年の新車市場の内訳を、乗用車が5.2%増の23万5900台、商用車が4.5%増の36万4100台と予測。観光業の回復や政府による消費刺激策などに期待する。一方、輸出の先行きが不透明なうえ、家計債務や不良債権の問題が依然として残ることから、本格的な回復はまだ先になるとみている。

トヨタ車の生産14%減

24年のTMTの販売台数は17.1%減の22万356台だった。年初時点で目標としていた27万7000台を2割ほど下回る水準となる。完成車の輸出台数は10.8%減の33万8107台、生産台数は13.6%減の53万6145台だった。

25年の目標は、◆販売台数=4.8%増の23万1000台(シェア38.5%)◆輸出台数=0.6%減の33万6184台◆生産台数=0.3%増の53万7860台――に設定した。


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