【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバルが3日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2025年2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.5だった。景気拡大と悪化の分かれ目である50を上回るのは11カ月連続。前月(50.4)から上昇し、24年7月以来、7カ月ぶりの高水準となった。各国で生産高が増え、7カ国のうちフィリピンを除く6カ国でPMIが前月を上回った。
全体では生産高の指数が7カ月ぶりの高水準となったほか、新規受注がインドネシアなどで大きく伸びた。今後1年間の生産を楽観する見方が強まり、雇用や調達も拡大。インフレが後退していることも追い風となった。
タイ(50.6)は2カ月ぶりに景気拡大圏に戻った。新規受注がやや縮小したものの、生産高や受注残が増えた。インドネシア(53.6)は生産高と新規受注が力強く拡大し、雇用は調査開始後で最も高い伸びを記録。ただ世界貿易の不確実性が高まったことで、新規受注のうち輸出受注は小幅に落ち込んだ。
ベトナム(49.2)とマレーシア(49.7)は引き続き50を下回っているものの、前月からは改善した。ベトナムは今後の経済状況や新規受注の改善への期待が高まり、購買活動が活発化している。ただ内外需とも低調で、新規受注と生産高は共に2カ月連続で縮小した。マレーシアは国内の新規受注が拡大している。
フィリピン(51.0)は前月を下回り、24年5月以来の低さとなった。新規受注、生産高とも拡大ペースが鈍化。また、購買数量が伸び悩んだことで購買品在庫が3カ月ぶりに落ち込んだ。