【亜州ビジネス編集部】
商務省が7日発表した2025年2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で1.1%だった。前月(1.3%)を下回り、6カ月連続で伸びが減速。生産が増えた野菜が値下がりに転じたほか、足元の原油価格低下でガソリンの伸びが鈍化した。一方、振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(1.0%)は、前月(0.8%)を上回り、23年12月以来の高水準だった。
食品・非アルコール飲料(2.0%)は前月から0.2ポイント上昇。前月に落ち込んでいた卵・乳製品(0.5%)がプラス転換したほか、水産物の値上がりなどで肉類(1.4%)の伸びが拡大した。ただ生鮮野菜(マイナス0.7%)はトウガラシなどの値下がりで2カ月ぶりのマイナスとなった。
食品以外では、車両用燃料(0.8%)が前月(5.3%)を大きく下回った。ガソリンやガソホール(ガソリンにエタノールを混合した燃料)の価格が落ち着き始めている。ほか、一部の家電が事業者の販促強化で前月から値下がりしているという。
同省は3月のCPIも2月と同程度の伸びになると予測。指数を押し上げる要因には、政府の価格抑制策が終わった軽油の値上がりや、観光業の回復、ココナツやコーヒーなど一部農産物の価格の高止まりを挙げた。一方、原油価格の下落や、政府による生活費支援、大企業の販促活動実施などがインフレを抑える要因になるとの見方を示した。
25年のCPI上昇率の予測は、2月時点で前年比で0.3~1.3%(平均0.8%)と発表している。