【タイ】日新電機と由紀精密が小型衛星製造へ、来年に初号機

【亜州ビジネス編集部】

日新電機は27日、航空宇宙部品などの精密切削加工を手掛ける由紀精密(本社:神奈川県茅ヶ崎市)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協業し、小型衛星の製造に乗り出すと発表した。バンコク北郊パトゥムターニー県の自社工場を製造拠点として活用する。来年にバンコクで開催が予定される宇宙関連の国際会議までに初号機の完成を目指す。

装置部品の受託生産などを手掛ける現地法人の日新電機タイを通じて、国立キングモンクット工科大学北バンコク校も含む4者で協業する。JAXAのバンコク駐在員事務所が各協業先のつなぎ役となる。

日新電機タイは各種加工に対応できる設備を備え、十分な工場スペースを持つという。宇宙事業への参入で新たな技術を入手したい考え。由紀精密は衛星製作に必要な設計と加工の技術を持ち、今後の小型衛星量産に向けてタイに進出する。毎年秋~冬に開催される「アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)」のバンコク開催に合わせて初号機を完成させる。

キングモンクット大は今回の事業を学生の就職受け入れ先の拡大にもつなげたい考え。タイでは政府が衛星開発を推進しているものの、宇宙事業に直接かかわる就職先は現状でほぼないという。


亜州ビジネスASEAN
https://ashu-aseanstatistics.com/

この記事をSNSでシェア!