【タイ】3月の物価上昇0.8%、2カ月連続で鈍化

【亜州ビジネス編集部】

商務省が4日発表した2025年3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.8%だった。前月(1.1%)を下回り、2カ月連続で減速。足元の原油価格低下で車両用燃料(マイナス1.6%)が値下がりに転じた。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(0.9%)も前月(1.0%)を下回った。

車両用燃料のマイナスは24年10月以来。ガソホール(ガソリンにエタノールを混合した燃料)の価格が低下した。一方、食品・非アルコール飲料(2.4%)は前月を0.4ポイント上回り、3カ月連続の上昇。コメや豚肉、食用魚のティラピアなどの値上がりが加速した。ただ供給が増えた生鮮野菜や卵の価格は前年を割り込んだ。

同省は第2四半期のCPI上昇率が第1四半期(1.1%)を下回ると予測した。インフレ率を押し下げる要因として、◆政府が電気代の抑制など生活費支援策を実施していること◆好天が続き、前年同期に価格が高かった生鮮野菜や卵の生産が増えたこと◆原油価格が低下していること◆大企業が販促活動を実施していること――を挙げた。一方、コーヒーやココナツ、パーム油の値上がり、原料高に伴う調理済み食品の価格の高止まりが指数を下支えするとの見方を示した。

25年のCPI上昇率の予測は、2月時点で前年比で0.3~1.3%(平均0.8%)と発表している。


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