【亜州ビジネス編集部】
経営状況の悪化した自動車メーカーが増えている。
本土上場企業の間では、投資リスクを示す「ST (Special Treatment)」、または、さらに危機が強まった「*ST」に指定される事例が相次いだ。今年上半期の時点では、力帆汽車(Lifan :601777/SH)、衆泰汽車(ZOTYE AUTO:000980/SZ)、天津一汽夏利(000927/SZ)の3社が新たに「*ST」指定を受けている。昨年上半期の海馬汽車(HAIMA:000572/SZ)、安徽安凱客車(000868/SZ)を合わせ、合計5社の株式が特別処理となった。経済観察網が4日に伝えている。
各社の2019年業績も芳しくない。年間の純損失は、それぞれ力帆汽車が46億8200万人民元(約728億円)、衆泰汽車が111億9000万人民元、天津一汽夏利が14億1800万人民元に膨らんでおり、長期の経営不振が響き、再編作業に着手。なかでも力帆汽車は総資産負債比率(総負債/総資産)が98.87%まで悪化している。
海馬汽車、安凱客車を含めた上場完成車メーカー28社に関しても、財務が盤石とは言えない。総資産負債比率が節目の70%を超える企業は13社を数えた。なかでも大型バス生産の揚州亜星客車(600213/SH)は95.45%に達している。同じくバス生産の安凱客車は90.40%、商用車生産の華菱星馬(600375/SH)も79.59%に上昇した。華菱星馬は今年上半期の大型トラック販売が9344台にまで落ち込んでいる。このほか小康股フン(601127/SH)は73.86%などで推移した。
半面、中通客車、金竜汽車、曙光股フン、宇通客車、江鈴汽車、一汽解放、中国重汽、東風汽車、東風集団は75%を下回る水準。流動比率と当座比率も100%をそろって超えている。