【亜州ビジネス編集部】
中国の調査会社・奥維睿沃(AVCRevo)によると、今年上半期に20〜30%上昇した液晶パネルは、9月も55インチ規格が10USD(約1060円)も上昇するなど値上がりが続いている。液晶テレビの世界市場での需要が引き続き拡大する中、韓国大手メーカーの撤退で需給が改善した効果によるものだ。10日付証券日報などが報じた。
これを受けてTCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス)、創維集団(スカイワース・グループ)、小米集団(シャオミ・コーポレーション)など国内テレビメーカーは、製品を相次ぎ値上げするとの観測が出ている。今回の値上げの波は来年5月まで続くとみている」と語った。
テレビ価格の引き上げは、需要減に対して展開された低価格競争から正常な状態を取り戻す側面がある。一方業界には、国内テレビ市場が過当競争にある中、安易に販売価格に反映させるのではなく、付加価値を向上させて消費者の評価を得ようという動きもある。
中国標杆企業案例営銷中心の周錫冰・研究員は、川上材料が上昇した現在こそ、中国テレビメーカーがハイエンド・スマート化市場を開拓する重要な時期との認識。家電メーカーは半導体チップの研究開発(R&D)に参入しており、競争力を向上させることで発言力と価格競争力、リスク対応能力が高まり、世界市場で先行チャンスを得られると指摘した。