【中国】米アップルが中国サプライヤーと関係強化、立訊精密など受注拡大

【亜州ビジネス編集部】

米アップルが足元で、中国サプライヤーとの提携関係を強化している。

複数メディアが18日までに伝るところによると、EMS(電子機器製造受託サービス)大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック)が「iPad」最新モデルの組み立て受注を獲得したとの報道に続き、立訊精密工業(ラックスシェア)も「Apple Watch」最新モデルでより多くの受注を手にしたと報じた。アップルにとっては、サプライチェーンのリスク分散を図り、単一サプライヤーへの依存度を引き下げる狙いがある。また、米中の対立が激化する中で、中国向け製品は国内サプライヤーに委託する方向へと調整を進めているようだ。

「iPad」と「Apple Watch」の組み立ては現在、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)が主に受託する。ただ、中国企業の生産の質が向上し、コストパフォーマンスが高まる中で、アップルによる委託先移転の動きが今後も進むとみられている。

一方、中国以外に出荷される製品に関しては、アップルは引き続き台湾サプライヤーを主力とする考え。中国以外での工場設置を後押しする方針と報じられている。

中国EMS大手のBYDエレクトロニックは、充電電池・自動車メーカーである比亜迪(BYD)の子会社。主要顧客は華為技術(ファーウェイ)、小米集団(シャオミ・コーポレーション)、韓国サムスン電子など。

また、立訊精密は精密傘下の中国工場で働いていた王来春氏が2004年に設立。コネクタなど電子部品のメーカーとして起業したした後、アップルやファーウェイの取引先などを買収して経営規模を急ピッチに拡大。現在はこれら大企業を顧客にEMS事業を手がけ、“本家”の鴻海を脅かす存在へと成長している。


亜州ビジネスChina
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