【亜州ビジネス編集部】
長城汽車(グレート・ウォール・モーター)がタイ東部ラヨーン県で計画する自動車生産について、投資額が226億バーツに上るという。タイのスリヤ工業相が23日、明らかにした。
スポーツ多目的車(SUV)などの生産を来年初めに開始する予定。電池生産や研究開発(R&D)拠点の設立も計画しているという。同日付プラチャーチャート・トゥラキットなどが伝えた。
米ゼネラル・モーターズ(GM)の現地工場を買収し、長城汽車はタイで生産に乗り出す。工業相は同日、長城幹部と会談し、投資計画について説明を受けた。それによると、まず2020年内に生産ラインの改修を終え、年産能力8万台の体制を構築。SUVとピックアップトラックの生産を来年初めにも開始する。3435人を雇用する予定だという。
エンジン車、電動化車両(xEV)とも生産する方針で、電池など部品も生産する。国内部品調達率は、生産開始当初に45%とし、2025年には90%にまで引き上げる目標。R&D拠点では東南アジア向け車両の設計などを手掛ける。
GMは工場を売却し、タイでの生産販売から撤退した。ここ数年は販売が低迷し、昨年には人員削減にも踏み切った。タイGM工場は2000年に操業を開始。年産能力は自動車が18万台、エンジンが12万基の規模だった。
ピックアップトラック、SUV大手メーカーの長城汽車は、河北省保定市の政府工場をオーナーの魏董事長が買い取り、成長させた。「哈弗」ブランドのSUVが主力。年産能力は124万台(2019年末)。市場シェアは、ピックアップトラック、SUVで国内首位に付ける。輸出にも注力。東欧や中東、中南米など新興国を中心に幅広く出荷している。