【亜州ビジネス編集部】
ベトナム統計総局は29日、2020年第3四半期のGDP成長率が前年同期比で2.62%だったと発表した。
第3四半期としては少なくとも11年以降で最低。ただ、過去30年で最低だった前四半期の0.39%(改定値)を上回った。ソーシャルディスタンス(社会的距離)措置の緩和に伴い、やや上向いている。
産業別にみると、第2次産業(製造・建設業)の成長率は2.95%で、前四半期の1.69%から加速した。詳細をみると、加工・製造業は2.34%で、前四半期の1.10%から伸びが倍増。建設業は5.67%で、前四半期の4.65%から加速した。
第3次産業(サービス業)の成長率は2.75%で、前四半期のマイナス1.93%からプラスに転じた。詳細をみると、医療・社会保障サービスが8.36%で最も高い伸びを示した。一方、最も下がったのは行政・支援サービスでマイナス13.06%だった。
第1次産業(農林水産業)の成長率は2.93%で、前四半期の1.80%から加速。農業は3.21%、林業は1.70%、水産業は2.47%のいずれもプラスだった。
1〜9月は2.12%成長
1〜9月のGDP成長率は2.12%で、少なくとも11年以降で最低だった。第1次産業は1.84%、第2次産業は3.08%、第3次産業は1.37%のプラスとなっている。
計画投資省は9月初め、20年の経済成長目標を従来の6.8%から2.0〜2.5%に下方修正した。グエン・チ・ズン計画投資相は、新型コロナで20年の経済成長率が低くなるものの、リセッション(景気後退)に陥る国がある中で、ベトナムはプラス成長を維持できると強調。21年の成長率は6.7%に跳ね上がると見通しを述べている。