経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”を伝えるビジネストピックを紹介
M&A業務等「アジア戦略」を加速。頼れる、もうひとつのパートナーバンクへ
あおぞら銀行
あおぞら銀行(東京都)が、成長する東南アジア市場に軸足を置いた「アジア戦略」を加速させている。11月28日には、タイの民間大手銀行カシコン銀行との間で、クロスボーダーM&Aやビジネスマッチングなどを内容とした業務提携の覚書を締結、タイ市場への進出を本格化していく方針を明らかにした。東南アジア企業の買収や連携を目指す日本国内企業向けアドバイザリー・サービスを強化するほか、成長機会を求め日本企業との関係構築を目指すタイ企業のニーズにもカシコン銀行のネットワークを通じて応えていく考え。目指す先は「頼れる、もうひとつのパートナーバンク」。
同行は昨年2月に公表した「あおぞら銀行のビジネスモデル」を発展的に継承し、同年11月、今後の成長戦略「アジア戦略」を発表。その中で東南アジア市場重視の姿勢を鮮明とした。日本国内企業と東南アジア地場企業との事業機会を創出、提供していくのが基本的な柱で、そのためには各国の地場情報の取得とネットワークを強化する必要があると判断。東南アジアにある地場金融機関などとの業務提携を積極的に展開することとした。11月には、シンガポールで最も古い歴史を持つOCBC銀行とクロスボーダーM&Aサービスを展開するための業務提携覚書を締結。今年6月には、インドネシアで第3位の総資産を保有するPT Bank Central Asia Tbkと同様の覚書を締結した。さらには、日本の商社・兼松(東京都)とクロスボーダー・ビジネスマッチングを中心とした顧客の海外進出のための業務提携も開始。金融機関の持つファイナンス機能と商社の持つ地場ネットワークの融合を進めている。あおぞら銀行の顧客の中には、中堅中小企業など比較的規模の小さい企業が少なくない。ノウハウを持たないこうした小規模企業の海外進出に資するものと注目を集めている。
【写真】タイ大手カシコン銀行との業務提携を発表するあおぞら銀行の馬場信輔社長ら。「既に具体的な案件で協業が進んでいる」とコメントした。
11/28 民間発電事業者とコージェネ事業を展開
三井物産
三井物産(東京都)は11月28日、タイの民間発電事業者Gulf Energy Development Co., Ltd.(GED)との間で天然ガス焚きのコージェネレーション(熱電供給)発電所を建設、運営していくと発表した。総事業費は約2,800億円。タイ国内にある工業団地に計12件の発電所を順次新設し、2017年5月から19年7月にかけて商業運転を開始する。発電した電力はタイ発電公社が向こう25年間に渡って買い取る。
12/1 シナジー最大化のための現法を設立
TIS
ITホールディングス傘下、基幹業務システムのTIS(東京都)は1日、バンコクにあるトータルソリューション・プロバイダーの連結子会社I AM Consulting Co., Ltd.と今年4月に業務提携したITソリューション提供会社MFEC Public Company Limitedとの事業間シナジー最大化などを目的に、新たに現地法人を設立したと発表した。新会社はTISI (Thailand) Co., Ltd.。資本金は600万バーツ(約2,000万円)。
12/3 ベントナイト販売のための現法設立へ
クニミネ工業
建設現場などで広く利用されるベントナイト(工業用粘土)の加工及び販売を手掛けるクニミネ工業(東京都)は3日までに、経済の回復・成長が見込まれるタイ市場で販売業務を担う現地法人を設立することを決めた。新会社はKUNIMINE (THAILAND) CO., LTD.。資本金は400万バーツ(約1,400万円)で、来年1月の設立を見込む。ベントナイト製品や関連商材を販売。特に鋳物分野での需要を見込んでいるという。