政変→改変→大変? バンコク都民の日常の足、
「通称、赤バス」の無料化が2015年7月31日をもって終了
「赤いバスは無料らしい」と一度は耳にしたことがあるだろう。とはいえ、乗ってみたいが、タイ語や乗り方がわからず躊躇してしまうのがバンコク都バス。タイ人にとっては日常の足だが、日本人にはハードルが高い。
噂(無料バスの存在)の真相は本当だった。ただ、残念なお知らせが。無料バスとやらは、2015年7月31日をもって廃止だそうだ。
バンコクを歩けば、赤、白、青などのカラーバスを見かける。知っている人も多いが、色とエアコン付き・なしで、運賃が変わる。
中でも、庶民の足として親しまれているのが、オンボロの赤い車体。通称、赤バス。運賃は朝5時〜23時まで一律6.5バーツ、23時01分〜4時59分まで一律8バーツで、24時間運行という驚愕の路線バスだ。「無料じゃないの?」との質問は半分正解。
無料赤バスは全路線のうち一部(73路線、1日800台)。その他は前述の運賃がかかる。同バスの無料化は、遡ること約7年前。バンコク都知事を経て第33代首相となったサマック政権下で2008年8月に暫定措置として実施された。しかも、当時は、国鉄3等車と電気・水道料金の無料化も一緒に導入するというバラマキ?
否ッッ! 同首相肝いりの太っ腹な低所得者支援策だった。
当然、負担は国費。鉄道とバスだけで、これまでに約240億バーツという血税が注ぎ込まれてきた。懐事情が厳しくなった2010年には、早々に電気・水道の無料化を中止。バスと鉄道についても、再三中止論が検討されながらも、計17回、民主党アピシット政権、タイ貢献党インラック政権でも延長されてきた。
なぜ、プラユット暫定政府は廃止を決めたのか。監督官庁であるプラジン運輸相は、見直しについて「無料バスや鉄道に富裕層や外国人旅行者が利用しているため」と話す。今後は、低所得者のみに限定し、対象者へは無料乗車券の配布、学生・高齢者は身分証や専用カードの提示で無料とする予定なんだとか。
いずれにせよ、無料バスの乗車体験をしたければ、残り数ヵ月。スクンビット界隈では2番、25番、26番の赤バスが無料だそうだ。ただ、乗るのは簡単だが、次のバス停のアナウンスはないので、降車ボタンは感覚で押すしかない。ハードルはまだ高い。