a day BULLETIN

No.1“タイ語”週刊フリーペーパー

a day BULLETIN編集長 ヴィライラット・エームイアム

《プロフィール》 バンコク出身、38歳。タマサート大学卒。Esquire Thailand、LIPSなどでキャリアを積み、「a day BULLETIN」創刊から編集長として携わる。趣味は旅行と乗馬。 www.daypoets.com www.facebook.com/adaybulletin twitter.com/adaybulletin
 

毎週20万部発行のバンコクNo.1 “タイ語”週刊フリーペーパー

―発行部数など、ビジネスモデルについて教えてください
「a day BULLETIN」は毎週20万部発行で、ページ数は基本的に20〜30ページくらいですが、そのときの特集によっても変わります。

一番多いときは広告込みで50ページ以上。収益の大半は広告です。ただ、a day BULLETINは年間800バーツの定期購読があります。

購読者の多くは地方にいる人や、バンコクに住んでいながら誌面を手に入れられない人たちです。おかげさまで会員数は年々増えています。 アプリやウェブサイトからダウンロードして読む人もいますが、多くの人は紙媒体の本誌を好むようです。



売り上げについては好調でしょうか


平均的にここ数年間で7000万バーツくらいでしょうか。一番多かったのは、2013年で9000万バーツですね。

また、ACニールセン(世界的に高い信頼度を誇るマーケティング会社)のリサーチによると、a day BULLETINがバンコクのNo.1フリーペーパーとのことです。そのため毎年広告数は増えており、今年については、好調に推移していると思います。



立ち上げの経緯を教えてください
2008年に創刊しました。当時からバンコクのフリーペーパーはたくさんありましたが、誌面だけで勝負をしている媒体はありませんでした。

また、フリーペーパーといえば、“読み捨て”と思われていましたが、a day BULLETINのコンセプトは“読者に有益な情報を届ける”という、これまでのものとはまったく違うアプローチ。クールなフリーペーパーを作ればニーズがあるというスタンスで、a day BULLETINはスタートしたわけです。これまでのフリーペーパーのイメージを変えるために、デザインなどすべての工程にこだわっています。



―確かに誌面を見ると、デザインへのこだわりを感じます
“読み捨てられるフリーペーパー”にならないよう、デザインにも工夫がないといけません。きれいなアートワークができたら、捨てるのがもったいないと思いますよね?一方、美しくないデザインであれば、誰も手にしたくないでしょう。一生懸命、特集を組んでも、それでは意味がなくなりますから。



なかなか手に入れられないと聞きます
有名人の表紙の場合、BTSでの配布分はすぐになくなってしまいます。一人で何冊も持って行く人が多いんです。 また、政治家やタレントをはじめとする話題の人の表紙もすぐなくなりますね。SNSや本誌を通じて、次号の内容を予告するので、早い段階でファンたちに情報が回っているようです。ちなみにバンコクだけではなく、チェンマイやホアヒン、カオヤイなどの都市にも置いています。



社員は何人いますか
アートディレクター1人、デザイナー2人、編集者7人、カメラマン3人、校正2人、営業部とマーケティングは10人以上で、約25名です。

 

海外の雑誌に負けない タイ語のフリーペーパーを出す

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表紙を飾りたいという人はたくさんいると思います。どうやって交渉をしていますか
幸いa day BULLETINは多くの人に知られている媒体なので、交渉した場合、すぐにいい返事をもらえます。

ただ、媒体に知名度がなかった頃は、先方とやり取りすること自体も大変でしたね。今後、さらに成長すれば、こちらからコンタクトしなくてもインタビューをしてほしいという人も出てくるでしょう。



これまでの表紙を見ると、男性が多いようですが、読者のターゲットは決まっていますか
いいえ。そもそも性別は関係ありません。男性の表紙が多いというのは、タイの社会において、決定権をまだ男性が握っているということの表れだと思います。ただ、メインの読者層は、大学3年生(20歳くらい)から上は60歳くらい。圧倒的に社会人が多いです。



一番印象に残っているインタビューを教えてください
個人的に、インタビューすること自体が好きで、誰と話しても印象に残っています。インタビューをしていて楽しいことは、相手の話がインスピレーションをもたらしてくれること。新しい発想が生まれることです。そういった人と話していれば、いつだって楽しいものですよ。



―a day BULLETINにとっても、デモも取材対象でしょう
a day BULLETINは週刊紙なので、労力や時間を考えると、現場に行って取材することは結構大変です。その代わり、我々は一週間に起こったニュースをまとめて、特集として作ってきました。

また、そのデモに関係がある人をインタビューすることもあります。a day BULLETINは、日刊でもなく、ウェブサイトでもないため、深堀りした内容をまとめて出せる強みがあるわけです。

ただ、反政府デモの写真を表紙にもってきたときは、フェイスブックでかなり叩かれました(笑)。しかし、内容は恩赦法の詳しい内容を掲載したのです。インタビューの相手は、国際的な有識者でした。表紙だけで判断するのではなく、内容まで読んでもらえれば、我々の意図もわかったはずです。



―翻訳して英語で出すことは考えなかった?
元々、海外の雑誌に負けないような、タイ語のフリーペーパーを出したいというところが立脚点だったので、これからもタイ語にこだわっていきたいです。 もし英語で読みたいという方は、BKマガジンなどを読んだ方がいいでしょうね。



2014年、a day BULLETINが注目するタイ人は誰でしょうか
特に決めてはいません。ただ、タイ人の生活に影響を与える、またはインパクトがある人に注目する姿勢は変わりません。 それはタレントだけではなく、政治家やビジネスマンなども含めてです。今の時代は移り変わりが早いですよね。あらゆることに目を向けることが大切です。

例えば、今日は話題の人でも、明日はそうではないかもしれません。ただ、今年はa day BULLETINは“積極的に仕掛ける”をテーマにしていますので、注目してほしいですね。

内容ですか? それはまだ秘密ですよ(笑)。

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